本質的なニーズを探る。「ニーズ」と「ウォンツ」の関係とは?
マーケティングの出発点である「顧客を創造すること」と言っても何から手を付けたらいいのでしょうか。
企業は、BtoB、BtoCに限らず自社の商品やサービスを有しています。その商品やサービスは、誰が購入しサービスを利用するのでしょうか。人々は、自分の問題解決に必要なモノやコトを欲しいという衝動に動かされて選択しています。
本質的なニーズを見つけることが顧客創造の出発点
消費者は、企業が創造した商品やサービスを「ウォンツ(欲しい)」という衝動に動かされて購入やサービスの利用を決断します。
消費者は、どのような商品やサービスを欲しいと何故考えるのでしょうか。BtoB、BtoCの場合でも生活や企業活動の中で様々な問題を抱え解決を迫られています。たとえば「ノドが乾いたから水が欲しい」というウォンツ(欲しい)は、体を維持するために水分を補給しなければならないというニーズから水が欲しいという欲求になって意識に表れたものです。企業は、その欲求を満たすために、様々な水に関わる商品を創造し提供することになります。
ただの水ではなく、フルーツの入った水、体に良い水と本質的なニーズである、体の水分補給に対して機能や感情に働きかける商品を開発し提供しています。
P.F.ドラッカーは、マネージメントの中で5mmのドリルを求めている顧客は、5mmのドリルを求めているのではなく5mmの穴を求め、その5mmの穴を開ける手段を求めているのだと述べ、企業の商品やサービスが提供するもの、それは効用※であると言っています。
※[経済学]消費者が財やサービスを消費することによって得る主観的な満足度
顧客が求めているものは、商品やサービスではなく効用
たとえば、ライクスという会社のサービスに当てはめて「ニーズ」と「ウォンツ」の関係を探ってみます。
当社は、ホームページを制作するサービスを提供しています。顧客である企業は、ホームページが欲しいと当社に対して依頼をしますが、ホームページが欲しいという「ウォンツ」の本質的なニーズとはどのようなものだと考えられるでしょうか。
当社に依頼する企業のほとんどは、ホームページから得られる財貨(新規顧客、人材、企業価値、財)を最大化させる手段としてのホームページを求めていると考えられます。つまり、企業は、Web上の会社案内ではなく、財貨を生み出す機能を持たせたホームページが欲しいということになります。
本質的なニーズを知り、その根本的な解決手段を提供することが企業には常に求められ、新たな顧客の創造を生む過程の中でマーケティング手法が求められると考えています。様々なウォンツの中に隠されたニーズを探りだすことは、企業の多くが目指すイノベーションを生み出す可能性を秘めています。
2018.02.07(水)
マーケティング